競馬場のカツカレー

カツカレーはあまり好きじゃないが、競馬場と言えばカツカレーだろうということで、カツカレーを食べる。

9月30日(土)、阪神競馬場

 G1のある日、混みあう現地で競馬を見たいなんて、よっぽどのレースじゃない限り、(来場時は指定席オンリーとはいえ)人ごみのある場所では見たくはない派である。なので?、スプリンターズステークスの裏開催になる阪神競馬場指定席に申し込み、見事両日当選したので、行って参りました!

 当然長くなるので、土曜分と日曜分で分けます。今週も通常の1週間に1回の千文字更新などで収まろうはずはなく、また、京都競馬場旅行編ほどではないが、阪神競馬場旅行編も別に書くかという気もあるので、長くなる。申し訳ない申し訳ない。
 そして、この記事は帰りの新幹線内で朝からビールをキメながら書いているというね。こだまは乗車時間長い分、こういうことができるのが良いよね。

 

 阪神競馬場は過去に何回か訪れたときに、宝塚カレーを食べていたが、それもコロナ前の話なので、もう色々変わっているだろう。今回食べられそうなら、カツカレー全部食べて帰るつもりだった。ネット検索しながら、カツカレーがある店を洗い出し、カレースタンド・宝塚カレー、洋食・ミュンヘン、とんかつ・とんかついなば和幸、カレースタンド・カレーショップ森久、軽食スタンド・アスコットの5店を確認。一日三食カツカレーはきついが、もう一日が二食で済むなら、調査完了して帰れるなと安心して当地に乗り込む。
 ところが、後述する宝塚カレーを食べて、一つ上のフロアにあがると「とんかつ」の幟が。この上は天ぷらや日本食の「瓢天」、事前調査ではカツカレーはなかったはずだが、嫌な予感がして店の前まで来ると、「カツカレー」の文字に膝を折られた。なぜカツカレーがあるのかは、瓢天のカツカレーのときに。
 一日三食、二日で六食カツカレーが決定し、そんなに食べる中年がどこにいるんだよ、ここにいるよ!無事食べきって胃腸はなんともないけどさ!

 

 直接は関係ないけど、やっぱ接客のうまさがあるよな、大阪・兵庫って。元気な「えろうすいません!」「おおきにありがとうございます!」だけで許される感ある。これは俺が東京育ちもあるからかなぁと思うけど、実は仁川・阪神競馬場生まれ、淀・京都競馬場育ちでもあるんだよね(なんだその謎の経歴)。

 

 では、阪神競馬場のカツカレー全6皿、行ってみましょう。なお、店によっては揚げ物バリエーションとして、海老カツカレーや唐揚げカレー、コロッケカレーなどもあるが、あくまでも豚か牛をカツレツにしたものが乗ってるカレー限定というレギュレーションがあることは先に断っておきます。

 一皿目は、14時を過ぎると、ご飯を余らして営業を終わらせないために超大盛になるという、宝塚カレーを後回しにすると食べられずに大惨事になると思い、土曜の朝一に突撃。

 宝塚カレー、ヒレカツカレー大盛850円。と、阪神競馬場オリジナルクラフトビール・レーシングマジック800円。
 大盛を頼んだわけではなく、大盛がデフォルトの店なのです。レーシングマジックは場内イベント会場にて購入。

 ルー部門
 粘度:ややさらり(中低程度)
 具:少
 具内容:牛肉片
 甘味:1(0~3)
 辛み:2(0~3)
 コク:2(0~3)

 カツ部門
 種類:牛ヒレカツ、カット3枚
 衣粒:細
 衣堅:サクサク
 肉厚:1(1~3)
 肉大:1.5(1~3)※3枚一組で。

 その他
 薬味:福神漬け(赤)

 阪神競馬場のカレーと言えば、一番有名なのがこの宝塚カレーだろう。有名であるがゆえに「いや、普通のカレーやで?」と言われ、「いやいや、美味しくもないで!?」とまで言う人もいる。が、数年ぶりに食べて分かったことは「これは人によって、判断がかなり分かれる」と思った。
 これはどういうことかというと、ルーを一口すすったときに、かなりの牛出汁を感じる味だった。元よりこの店のデフォルトがビーフカレーなので、当たり前っちゃー当たり前。それと同時に「普通の人には、塩味が一味分、もしくはとろみが、足りない」を感じる、これは本当に判断が難しい。この牛出汁の味を活かすにはこのバランスでいい気がするし、一般大衆的に受けるにはもう少し塩味を利かすか、とろみをつけることによって舌の上に残る時間を増やして、はっきりとした味にすべきとも思う(老人相手に塩分量を減らせるテクニックとして、少ない塩分でとろみをつけて、塩味を強く感じさせることはよくやる)。飲食のプロか、よほど料理に興味がある素人じゃないとそういう感覚は出ずに、牛の出汁はよく出ているのに、「味が薄い」と大半の人に言われてしまっているのだろう。
 加えて、サービスでデフォルトが大盛になっているご飯が柔らかめというのも、一因かもしれない。柔らかめということは、水分を多く含んでいるので、口中でルーを比較的薄めるような効果があるのかもしれない。ということで、個人的にはコク判定は2ぐらいを打ちたいが、多分一般的には1だと思う。
 また、具に小さいながらも牛肉片が入っていることを考えると価格でお客は損をしてないと思う。昔、東京競馬場の(東京競馬場をついつい府中と略しそうになるが、一応表立ってのことを考えて毎回わざわざ東京競馬場と打つ)ホテルオークラのカツカレーは、日本国内最高価格の競馬場カツカレーの名に恥じぬ、とんかつ以外にもルーの中にでっかい肉塊がごろりと入っていた。が、今は入ってない。それを考えると宝塚カレーさん、滅茶苦茶がんばってるでしょう!?価格も肉の大きさも違うけど。
 辛さは表面的なものはほとんどないが、食べ終わった後、ぽたぽたと汗が出るジワリ系の辛み。以上をルー評価としたい。
 カツは極薄のカツが半分にカットされたものが3枚という謎の量。肉は、断面の色が濃く、繊維質的なので、牛肉文化である関西のため、極薄の牛ヒレカツかと思ったが、確証がない。薄切り豚ヒレ肉の可能性も多分にある。薄い分、かりっと揚がったクリスピー感がある。
 総評としては「すべての国内競馬場のカツカレーの基準点」こと、中山競馬場・福麺のカツカレー800円と比べると、牛を使っている・ご飯が大盛という原価上プラスされた分が、50円で収まっているのは飲食経験者から見ると、まぁ、頑張ってるかなと思えるが、そんなことは関係ない、微妙な味の差異が分からぬ一般人からすると、有名税分、評価は割り引かれるかもしれない。
(そもそもラーメン屋なのに「基準のカツカレー」を出している福麺がおかしいし、福麺のラーメンはラーメンで、X:旧ツイッターで予告して毎回違う、出汁に使う食材の豪華さもおかしい)(福麺を褒めてるが別にステマではない)

 

 何も知らない東京の競馬仲間に宝塚カレーとビールの写真を送ると、こういうことになる。

 ご飯は大盛だし、薄いカツだし、相乗効果でそう見えてしまうということで、宝塚カレーの評価は一見だけでも難しいことが分かっていただけますでしょうか。

 

 オリジナルクラフトビールのレーシングマジックは、ヘイジーIPAというアルコール度数が高く、濁りがあるジャンルのクラフトビールだが、しっかりと苦味は最初にあるものの、すっと抜けて、それ以上にフルーティーな香りと味わいが残るのですごく飲みやすい。隣で誰かがこれを飲んでると匂いで分かると言うぐらい果実感ある。正直言うと、美味い(アンチクラフトビールおじさん、完敗の歯ぎしり褒め)。いや、これマジで凄いよ、アルコール度8.5%で、このフルーティー感、知らんうちに倒れる人でるぞ!?(どういう心配の仕方だ)。基本的に「クラフトビール、行きつくところ、全部同じような味、柑橘の香りやねん!日本のメーカービールのほうがよっぽどブラインドテストでも分かるよう、はっきりとした味の違いがあるわ!」と息巻いているが、まさかこういう「同じような味でも、完成度の高さ:バランスの良さの美味さ」で、帽子を脱ぐ日が来るとは。おすすめです。1回は飲んでみましょう。基本的に文句をつけて「やっぱり黒ラベルが一番うめえ!」ってやりたいがために、クラフトビールを飲んでるおじさんが言ってるんだから、800円の損はさせないと思う。

 

 宝塚カレーを食べて、間髪入れずに前述の瓢天へ。そこに現れたこの光景。

 

 京都シルヴァーのカレー!!あの、「ごはんが二合分(茶碗四杯分、丼二杯分ぐらい)はあって、小食の人間は殺されそうになる」、伝説の今は亡き京都競馬場のシルヴァーのカツカレーがなんでここにあるんだ!!と膝が震える。が、なんてことはない、瓢天とシルヴァーは経営している会社が一緒なのである。京都競馬場からシルヴァーを撤退させた分、カレーだけ阪神でも出すことにしたということだろうか?ネットで調べたものは若干情報が古かったようで、最新の状況が今ここに。
 食品サンプルが店頭に出ているが、結局出てくるのが、あの殺人級ご飯の量の場合、一日目・二食目の今じゃないと、多分食べられない!と覚悟を瞬間で決めて入店。

 一応、在りし日のシルヴァーのカツカレーも載せておく。

 

 カツはここ。カツも普通に三枚ある。そこからも米の量を推し量ってほしい。次に載せる、瓢天のものと比べて、ぱっと見、瓢天の2倍以上はあると分かってもらえるだろう。

 

 瓢天、京都シルヴァーのカツカレー1,050円。
 ご飯の量が常識的な範囲で助かった。それでも茶碗1.5杯分はあると思う。

 ルー部門
 粘度:とろっと(中程度)
 具:無(もしくはひき肉的な何かか、野菜片)
 具内容:無(もしくはひき肉的な何かか、野菜片)
 甘味:1(0~3)
 辛み:2(0~3)
 コク:2(0~3)

 カツ部門
 種類:牛ヒレ?三枚
 衣粒:中
 衣堅:カリカ
 肉厚:1(1~3)
 肉大:2(1~3)※3枚一組で。

 その他
 薬味:福神漬け(赤)、箸

 ルーは直前に塩味の薄い宝塚カレーを食べていたせいもあるのか、こちらはかなり強く塩味を感じた。粘度は中程度のとろっと系だが、若干強めのもったり寄り。具はないが、時々見える粒粒が、ベースがビーフカレーということで、もしかしたら牛ひき肉、もしくは微塵切り野菜の溶けかかった何か的なものかもしれない。口に含んだ瞬間の辛みはないが、こちらもあとで汗が出てくるジワリ系。立て続けにそういうカレーを食べたので、汗が滴って滴ってしゃーなかった。ハンカチびしょびしょ。
 カツは薄い、一口カツが3枚。こっちは宝塚カレーより、もっと色が濃くて繊維質ぽかったので、こっちこそ正真正銘の牛ヒレカツだろうか?しかし、脳腫瘍疑惑で眼球運動が鈍って、極度付サングラスをかけることになったほどの目の悪さのおっさんの言ってることなんて当てにならんよな。食って判別もできてねえし。いやいや、衣全部はがしてマジマジみるという行儀の悪いこともね、あとカレーだから、味が強いから、分かりにくくてね、などと言い訳を並べてみる。しかし、この一口カツは正直美味い。これだけで美味いなと思った。後から来たおっさんが「ビールと、一口カツを2枚ね」と頼んでて、そういう注文もあるのか!と思ったし、そういうので一杯やりたい気分も分かる。
 ほぼ朝一の時間だったためか、カツがアツアツだったが、これはこれで美味しかったが、基本的にカツカレーとかカツ丼に関しては、できれば、ある程度揚げ置きしていたもののほうが良いかなと個人的には思う。昔、新橋の立ち食い蕎麦で、遅い昼飯の蕎麦をすすっていたら、後から来た爺さんが天蕎麦を注文。丁度時間柄、揚げ置きがなかったので店員が時間がかかると断って、かき揚げを作り始めた。数分して揚がったので店員が一旦フライヤー横の網の上に置いたら、爺さんが大声で「揚げ置くんじゃねえ!!すぐ丼に入れろ!!」と言って聞かない。仕方なしに店員は蕎麦を用意した丼に即入れて、提供した。が、実は揚げ物は、本当に揚げたては物凄い油っぽくて美味しくない。一旦置き場で油きりして、落ち着くのを待ってから提供した方がいい。それを知らない爺さんは、油が大量に浮いた蕎麦を不味そうにすすって、箸が止まっていた。そういう意味で、揚げ置きのほうが良いとは個人的に思っている。
 ご飯は若干堅めだが、関東基準から見れば通常ぐらいの堅さ。
 総評として、京都時代も思ったが、基本的に美味い。が、ご飯の量でやられそうになっていた。しかし、瓢天間借り提供状態で常識的なご飯の量となって純粋に美味しいねと言えるカツカレーになったと思う。

 

 土曜最後のカツカレーは、とんかついなば和幸阪神競馬場店。中山にある同系列店、浄水器がぶっ壊れてるのか、コップで出される飲料水が古い水道管から出てくるような変な味。カレーのルーの後味の匂いもそれで、毎回完食を試みて大敗北して店を後にしてるため、行くべきか迷ったが、阪神でも同じだったらもう俺には救えない(救う術など元から無い)と考え直して行ってきた。
 中山の問題のカツカレーはこちらで。

ke1b4ski.hatenablog.com

 

 とんかついなば和幸、カツカレー1,280円。
 食える!食えるよ!美味い美味い!

 ルー部門
 粘度:とろっと(中程度)
 具:少
 具内容:鶏肉片
 甘味:1(0~3)
 辛み:0(0~3)
 コク:1(0~3)

 カツ部門
 種類:豚ロース一枚肉
 衣粒:中
 衣堅:ガリっサクっ
 肉厚:2(1~3)
 肉大:3(1~3)

 その他
 薬味:福神漬け(赤)※ご飯の向こう側に少量、紙ナプキンが袋状になっていてスプーンが入っている。

 不安を抱えながら待っていると、東の同店カツカレーとは全く違うしつらえ!とんかつ屋の延長のキャベツと味噌汁に&カツカレーじゃなくて、シンプルに、カツカレーでございますという形!
 ルーは、業務用レトルト系のようなとろっと感の粘度で、辛みはまったくなく、お子様カレーのような優しい甘味とコク。具がチキンと思われる肉片が少し入っていた。
 そして、とんかつが本当に柔らかくて美味い美味い。東もとんかつだけは同様に美味かった。しかし、東はカツが小ぶりの二枚になってるのに対して、西は大きな一枚(皿を分断するかのように端から端まで届く長さで横たわっている)で、とんかつ量はあきらかに西が上。衣も若干違って、西の方がよりクリスピーでガリっサクっとしていて美味い。さすがとんかつ屋と思わせてくれる。
 ルーがたっぷりなので、ご飯よりルー多くしてくれ!という人は満足だろう。
 両店ともに1,280円だが、西なら値段相応で良いでしょう!東は浄水器を直したほうがいい!?

 

 

 やっと土曜分のカツカレーについて書ききったので、残りの競馬についてはさらっと!

 馬券は超絶好調、先週ウマカの中身を5千円から9千円ぐらいにして帰ったが、土曜で5レースで4,500円使って、最終的には18,000円弱にしてフィニッシュ!阪神に来てるのに中山ばっかり買ってたんですが。基本的に来場すると集中できないので、額はそんなに張り込まず、1レース千円ぐらいでやってます。

 

 指定席はSラウンジに入ったが、なかなか良かった。それについては後日阪神競馬場旅行編で纏めたいとは思っている。思ってはいるが、いつなんどきとこちらは言ってない。その気になればry(利根川)。

 Sラウンジの軽食コーナーにもカレーを見つけた時は「一日四食カツカレーは食えん!」と絶望したが、カツカレーはなかった。危なかった。カレーで溺れ死ぬところだった。

 

 Sラウンジ紫外線チェック(調光レンズのため、紫外線量に比例してレンズの色濃度が上がっていく)だが、阪神のスタンドは北向きであり、東南向きの中山のキングシートに比べると紫外線量は落ち着いている。

 

 夕日に照らされる、帰り際の阪神競馬場パドック

 良い(語彙)。

 

 当日の植える米チャンスの案内。人数が表示されているなんて初めて知った。

 植える米チャンスは、一年ぐらい前に醤油小皿が当たってから、まったく当たらなくなってしまった。ヒーロー列伝シール、猛烈に欲しかった。

 

 帰り道に見つけてついつい写真を撮って、ツイート。

 個人的にヒーロー列伝で、ぶっちぎりにかっこいいのはやはりコレだよ。

 生まれ故郷の牧場は倒産、母馬も早くして死亡、自らもまったく勝てずに廃用(知らない人に一応説明すると、競走馬のほとんどは勝てずに競馬界から去る。現在の国内馬資源の活用限界では、家畜用の食用として屠殺処分されることが大半)寸前まで追い込まれるが、そこから奇跡の大勝大連勝、日本国内最強に上り詰める。父馬シービークロスが「白い稲妻」という異名を取り、鋭く後方から伸びてくる脚質も含めて、劇的な馬生と存在の眩しさを言い得て妙の作りがこのポスターにある。ここら辺は漫画「みどりのマキバオー」のモデルにもなった。
 そして、最後には、今まで勝って立ちはだかっていたオグリキャップに、負けてバトンを渡して引退したのが、個人的に評価が高い。真の王者とは、負けて次の時代を渡して指し示したものと思っているし、そういう去り行く王者こそをもっと称えるべき。

 

 日曜分に続く。

 

 バナー押して頂けると嬉しいと言っても、誰も押さないことが分かったし、別にグループのランキング順位を競ってもなぁと思ったので、今回からグループバナー貼り付けなし。代わりにはてなスターくれ!!(貰うばかりの人