競馬場のカツカレー

カツカレーはあまり好きじゃないが、競馬場と言えばカツカレーだろうということで、カツカレーを食べる。

24年4月13日(土)、14日(日)

 先週土曜の落馬が原因で、週中の水曜、藤岡康太騎手が逝去した。JRAに関係する大半の人間は、大きな喪失感に襲われた。今週は、この件について、少しスペースを割きたい。

 

 競馬ファンの中には、自分と同じく、そこまで同騎手の熱心なファンでもなかったのに、こんなに残念で無念に感じること自体、びっくりした人もいるだろう。
 この二週間ほど前に地方競馬の高知で、まだ若い塚本雄大騎手が、同じく落馬事故で亡くなっていたが、JRAでは2004年の竹本貴志騎手以来、20年ぶりのことだった。
 これまでに酷い落馬事故はあったが、近いところだと高田潤北村友一三浦皇成辺りか。それでも彼らはまた戻ってきて、今も馬に乗っている。藤井勘一郎は引退を余儀なくされたが、車椅子になっても、次のチャレンジを元気にXで発信している。調教中の落馬が原因で引退した北沢伸也、山田敬士や、他の多くの元騎手もいるが……。
 もう一人忘れてならないのは、後藤浩輝だろう。
 度重なる落馬から、何度か復帰を繰り返していたが、いきなり「縊死した」と一報が入ってきて、競馬ファンは驚かされた。2015年2月27日金曜日、週末の騎乗予定を残したまま、ぱっと消えてしまった。それが逆に、競馬ファンには重く受け止めることができない、雲か霧かを掴もうとする状態になった。家族や、師匠、近しい関係者はそうではなかっただろうが。
 しかし、藤岡康太の場合は、20年間なかったことに皆が出くわした。目の前で見ていた。希望を、奇跡を祈っていただけに、誰もが喪失感を抱いた。

 

 競馬は、時々偶然が重なることがある。
 土曜阪神6、藤岡康太初GI勝利ジョーカプチーノを母父に持つ、同馬の同馬主同厩舎ジョーローリットが8人気で勝利。
 土曜福島7、藤岡康太の師匠・宮厩舎で、二走前まで主戦を務め、前走から父の藤岡厩舎所属になった新人高杉吏麒に任せていたゼットカレンが、10人気で1着。高杉騎手はウィナーズサークルで号泣しながらサインを書いていた。余談だが、藤岡師は「息子二人が競馬界でお世話になったから、弟子は二人育てる」と語っている。
 日曜阪神4、宮厩舎で前走藤岡康太だったライフセービングが、新人吉村誠之助を乗せて4人気で勝利。宮厩舎は先週まで今年通算3勝だったが、上記の勝利を加えて今週だけで3勝。
 日曜阪神6、藤岡康太が主戦で重賞3勝の牝馬ディアデラマドレ、その仔ログラールが3人気で勝利。
 日曜皐月賞藤岡康太が調教をつけていたジャスティンミラノがレコードタイムで勝利。帰ってきた同馬を迎えた担当厩務員、友道師、そして鞍上戸崎圭太は涙を止めることができなかった。
 俺が分かっている限りが上記のことで、てっきり康太が「そんな悲しまないで。吏麒、誠之助、勝つっていいことだろう?親父、師匠、皆、お世話になりました」と勝たせてやっているのかと思ったが、そうではなく、皆が康太を追悼するために一所懸命になった。安心してこれからも見守ってもらえるように。
 20年前の落馬で死亡した竹本の同期だった黒岩悠が、土曜中山グランドジャンプをイロゴトシで勝ち、「康太、勝ったぞ!!」と咆哮した。康太と同期だった丸田は、康太も騎乗経験があるリフレーミングで日曜福島民報杯を勝ち、口取り記念撮影で顔をぐじゃぐじゃにしていた。

 

 兄、藤岡祐介は弟の死の公表の翌日、自分のコラムでファンへメッセージを出した。

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 なので、競馬を応援してくださるファンの方々の記憶のなかに、悲しい出来事として残ってしまうことを康太は望んでいないと思います。難しいお願いになってしまうかもしれませんが、どうか騎手として輝いていた康太を忘れないでやってください。そして、輝いていたたくさんの瞬間を時々でも思い出していただけたら。そうやってみなさんの心のなかで生き続けてくれたら、兄としてこれ以上うれしいことはありません。

 初G1は、大波乱のNHKマイルを10人気ジョーカプチーノで勝利。G1二勝目は14年後、世界的名手ムーア負傷から当日急遽代打騎乗で見事5人気ナミュールで勝利。
 5年間勝ち星がなく、8歳になっていたマカヒキを、9人気で勝たせた京都大賞典。ゴール前、最後ぐぐっと来た時は、皆自分の馬券を忘れて「マカヒキだー!!」「ダービー馬が来たぞー!!」と熱くなった。

 

 土曜阪神1後に、取材に答え、再び周りに向けて発言をした。

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 やっぱり突然のことだったので、お別れできないまま、いってしまったというので、すごく心を痛めてくださっているジョッキーの方もたくさんいて、朝に会長(武豊騎手)の方から、『ひと言、みんなに声をかけてあげてほしい』ということで、あいさつさせてもらう機会も設けてもらって、気持ちを伝えることはできたので、なかなかすぐに、とはいかないかもしれませんが、一日でも早く、騎手会らしい明るい空気が戻って、安心して康太が見守れる状況になればな、と思っています。ファンの方もなかなかすぐにとはいかないかもしれないですが、今までできていたこと、楽しめていたことがそうじゃなくなってしまうというのは、すごく康太の本意とするところじゃないと思うので、変わらず応援していただけたらうれしいなと思います。

 今週は、藤岡康太を追悼する競馬だった。近しい人達の悲しみの深さは如何ばかりか計り知れない。競馬ファンは、兄・祐介が言うように、悲しみを忘れて、思い出だけを覚えていればいい。
 また、来週から競馬が始まる。
 日本の競馬は海外と違って、馬券が売れることで存続して、繫栄している。これからも日本の競馬を無くさないよう、俺が今週負けた分は、香典だよ(つまらないオチですが、笑ってください)。

 

 

皐月賞

いつもの

「深淵を覗くとき、深淵もまたこちらを覗くのだ」www

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POG

 POG指名馬がアーバンシック、ビザンチンドリーム、ホウオウプロサンゲ、レガレイラと四頭出走していたが、勝てばクオカードがもらえるのはホウオウプロサンゲ以外の三頭だった。
 負けるとすれば、持ち時計がある、メイショウタバルかコスモキュランダかな?とは思っていた。
 結果、ビザンチンドリームは大出遅れ13着、ホウオウプロサンゲは良いところなく11着、アーバンシックが4着でダービーへの優先出走権ゲット、牝馬制覇を期待されたレガレイラは上り最速6着。メイショウタバルは大逃げで最下位、コスモキュランダはあわや勝利かの2着。
 レコード決着の高速戦を制したのは、未だ無敗のジャスティンミラノ。
 考えてみれば負けてなかったのが勝った!なんてのは、よくあるパターン。今週は兄貴(藤岡祐介のミスタージーティー)か、藤岡康太が調教をつけていたジャスティンミラノに勝たれたら仕方がないとは戦前言っていた。同馬は本場イギリスのダービーに登録をしている。期待されて負けたレガレイラはスタートも悪く、道中常に外から蓋をされ、負けるべくして負けた形。その形が形だけに、まだ見限れないところはある。両馬ともに、違う二択が残されているが、どっちへ向かうのか。

 

雑談

競馬ファンの(パドック)マナー

 動画が出回ったらしいが、見てはいないので、伝聞だけの間違ったことかもしれないが、土曜中山最終レースのパドックで、小さな事件があったとのこと。
 1人気ナスノカンゲツ横山武史に向かって大声を張り上げる客がいた。それに対して馬がかかるように反応してしまい、武史が「やめてやめて」と騎手にしては珍しく声を上げて制止したが、その客は「こっちは金を賭けてんだぞ!」とさらに続けた。らしい?どこまでが本当か分からないが、パドックで武史がやめてまでは確実。ぽい。
 もう「大崎昭一あるいは新潟事件」※を知らない世代が増えたから、ある意味仕方ないかもしれないが、ここで俺が言いたいことは二つある。

※通算900勝超、ダービー二勝の名手、大崎昭一騎手は、新潟の本馬場入場時に、知り合いから「調子どう?」と聞かれ、軽く応えたら、八百長の符丁の疑いをかけられ、重い処分を課せられた。このことから、騎手は、パドックや観戦スペースに近いところでは、客に対して極力反応しないようにしている。馬や騎手に反応してもらいたくて話しかけるのは言語道断。

 一つ目は、俺はあまり頭が回るほうではないので、よくある事象に対してはあらかじめ考えた結論を持つようにしている。つまり、「バカって言ったら、バカって言った方が、バカなんですー!は、なぜバカって言ったほうがバカなのか」みたいな話。
 今回に関しては「こっちは金賭けてんだぞ!」というところに対してだが、「金賭けてんのはおめえだけじゃねえんだよ。なんなら、おめえが賭けてねえ馬に俺らは賭けてんだよ。あと、ここにいる馬は何百・何千万という金を出して馬主が買ってるし、毎月預託料で何十万と払って年間でも1頭につき何百万と払ってんだよ。厩舎陣営は、その馬で賞金を狙って仕上げてここに持ってきているんだ。その多くの、馬と人と金と仕事を、全部ご破算にできるほど、お前ひとりの馬券代とヤジに額と価値はあるのかい?じゃなかったら、皆お互い様なんだから黙っていようや。そもそもてめえでてめえの馬券を紙くずにする行為を働くのもおかしな話じゃないか」、とっさの場でも使えるように、もっと簡単にまとめれば「お金を賭けているのは貴方だけじゃない、私も違う馬に賭けている。馬主は何千万と1頭の馬に掛けている。ここ(パドックを指さして)の総額は何億円となる。あなた、それ賠償できます?静かにしましょう?」だ。

 二つ目は、マナーの呼びかけはいつまでやるべきか。そんなのはずっと永遠にやるべきものなのだ。
 人間は自分が知覚できていることでしか判断できないから、こういう間違いは往々にしてあるのだが、「新しい人間は常に生まれてくる」。つまり、自分が歳を重ねて分かり切ったことがあっても、それを分からない、知らない人間というのは、人間が絶滅しない限り永遠に毎日生まれてくるのだ。
パドックでは馬が驚いて暴れる可能性があるから、静かにして、走り回ったりなどの、急に動かないようにしましょう」
 毎レースごとに、大きく周知してもいいぐらいだ。もうそんな分かり切ったこと繰り返して馬鹿か?という奴のことは無視していい。初手や初歩の物事は、永遠に繰り返していいし、すべきなのだ。
 これは少し前、阪神競馬場ウィナーズサークル前の長時間場所取り撮影に対してJRA職員が積極的に働きかけて、目に余るものを除いていった経緯で言われていたが、関東のJRA競馬場はそれに比べて無法地帯だと、こういう動きをしていないと。
 話はウィナーズサークルの件だが、確かに関東二場のパドックは、どんどんやかましくなっていってる。関東二場の職員の動きは確かに悪い。
 パドック周りの警備員が持っている看板を大きくするとか、人数を増やすとか、中山ではラウンドガールならぬパドックガールの導入が為されたらしい(導入後中山に何度も来場しているし、パドックにも行っているが、なぜか俺はみたことがない)から、パドックガールに注意看板も持ってらっては?もうやってるか?どうしてパドックでは静かにしなきゃいけないのかのビラを配るとか、パドックビジョンに注意喚起アニメーションを時々流すとか、何か必要だろう。って、俺がここで言ってもなぁ。
 そういえばゴルゴ13で、マナー向上のためのアニメーションが場内で流れていたな。あれでパドックなかったかなと探してみたが、なかった。

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 グッドマナー作戦は全五話。再生リストが用意されてないんだよなぁ。このパドック版を作るしかあるまい!

今週のなぜなぜ坊や(中身は中年)

 在宅中はグリーンチャンネルの中継番組を見ているが、第1レース発走前のオープニングトークでは、各競馬場と中継を繋いで、当日の各地の様子を放映している。
 そこでいつも思うのだが、その中で、関東場のクッション値と含水率は常にパドックキャスターから発表されるのに、関西場と第三場のクッション値と含水率は必ず発表されない。馬場状態は全場発表される。
 時間は9時10分ごろの話で、公式サイトでは9時20分~30分の間に一斉更新されるので、各場測定済みであってもおかしくない。なんで、関東場だけしか口頭で発表しないんだろう?

東スポ、読者の声でさらに紙面変更

 先週は東スポのリニューアルと、それに続く二紙の話をした。
 しかし、余程多くの意見が寄せられたのを気にしたのか、
・メインレースの馬柱を再びカラー化
・終了させた各レースでのミニコーナー「Vサイン」を復活
 という点を再変更してきた。

 Xのポストには、要望コメントが連なっている。まだまだ不満点はあるということだろう。ただ、値上げリニューアルした次週すぐに読者の声を反映して、再変更をした点は非常に評価されていて、来週も見限られずに見守る効果はあったと思う。かくいう俺も、別に東スポを買って確かめたし、来週も動きがあるなら買ってみるかな?という気になった。

 要望を見てると、これはすぐにできそうだなというのは、二点あって、一つは馬柱に生産牧場の記載。今は社台系と、それ以外では成績に大きな開きがあり、順当な意味でも、逆の意味でも、馬券戦略に欠かせない。もう一つは、陣営コメントの馬番順。現状は馬名の五十音になっているが、馬柱と照らし合わせてみるためには、馬番順のほうがいい。
 これは廃止したままでいいだろうというのは、券種想定オッズの掲載。さすがにもう、どんな糞ジジイでもスマホじゃなくても、携帯は持っている。それにはブラウザ機能はある。公式サイトでオッズが見れる。現場にオッズプリンターすらもうないんだから。オッズがネットで見れないぐらい財布が窮まってる奴は、競馬自体をやらないほうがいい。これだけは、他の情報が載る価値とトレードオフになる。その要望だけは諦めろ。
 あとは、エロページはカラーにしろとか、エロページの掲載位置を考えろとか、エロは無くすなよ!?とか(お前エロばっか挙げてるじゃねーか)色々あるが、逆にこればっかりは出来ないんだよなぁというのは、「競馬号だけでも、特別チャーター便でも出して、全国夕刊配送にしろ(戻せ)」ということ。
 現状東スポが夕方に配送される地域は全国ではなくなった。というより、東京・名古屋・大阪の都市部以外は、ほぼ全て朝刊扱いになった。北海道においては販売すら無くなった。元々朝刊だった東北と九州は変わりがないが。
 とてもじゃないが、そんな金はない。ただ、この関連で、これは鋭い指摘だなと思ったのは、
「他の朝刊と横並びでよーいどんで、250円では買えない」
 他の朝刊は160~180円。昔は前日専門紙が並ぶ中で、唯一夕刊紙で全レース馬柱掲載して100円台で買えたのが東スポ最強のポイントだったわけだ。それが朝刊となり、他競馬スポーツ紙と横並びになった中、250円という値段になった価値はあるのか。今後他競馬スポーツ紙が同じく値上げする可能性もあるが、現状ではさらに部数を減らすリニューアルになっている恐れがある。

 マニアの言う事を聞きすぎると、初心者が置いてけぼりになり、新しい読者層を開拓できなくなる、これは東スポがお得意としているプロレスでかつて起こった現象である。その匙加減が難しいが、ここが正念場である。
 最後にもう一つだけ個人的な意見を挙げさせてもらうと、競馬新聞におけるコラムの扱いである。俺が競馬エイトを見限ったのは、糞当たらねえ無駄なTMコラムを増やすことはあっても減らすことがなかったから。コラム以外に乗せるべき情報やデータはある。
 東スポの要望にもチラチラと、そのことは書かれている。コラムがいらない、大きな扱いはいらないと。これはもう時代だろう。 寺山修司か、はたまた清水成駿か、そんな気取りのコラムがあっても、当然そんなレベルのことは書かれていない。田原のコラムだけは、長年の競馬ファンほど、捨て置けない何かがあるが……。かといって、じゃぁ、綺麗どころのコラムを無くせるかと言えば、ここを入り口にする人も少しはいるような、いないような。意外と女性のほうが馬券は当たっている気もするんだよな。
 結論として、やはりコラムは多すぎる。載せるべき情報やデータがきちんと紙面に反映されてないのに、それらが場所を取るのはおかしいと、読者は感じているわけだ。逆を言えば、掲載して欲しいものがちゃんと掲載されている上での、コラムは良いわけだ。

 

 個人的な夢の、理想の競馬新聞紙面というのは、まず、基本的な紙面構成は、やはりスポーツ紙ではなく、専門紙のものだろう、第三場も午前中もミニ馬柱じゃなくて、五走は掲載して欲しい。
 障害レースは初障害馬の障害試験クリア時計掲載とその短評。障害レースはもっと解説と予想見解に字数をかけろ!専門紙でも障害レースは、おろそかに掲載してて、何が専門紙だよ、本当はお前ら何も分からねえんじゃねえのか?という文句が今はある。
 そして馬柱は競馬エイトのもの。重要度に応じてフォントのメリハリが利いていて、一番見やすく、上り3位まで表示されているしね。陣営コメントは競馬エイトの前半のように、各馬の下に、それぞれ連なるように掲載されているのが一番見やすいんだけど、その分字数制限が厳しくなるか。
 過去走には、クッション値と含水値を掲載。芝で例えば同じ1分35秒でも、クッション値10.0とクッション値9.0で計測されたものとでは、価値が全然違う。なんでこの時計で走ってんのに、今回は大惨敗なんだよ!というときは、そういうカラクリがある。
 そこに馬サブローの陣営コメント&調教の判断指標と、NF系外厩情報を。
 最後に、東スポのエロページをカラーでくっつけてくれれば、最高だよ!(お前もエロページはカラー派なのかよ!