競馬場のカツカレー

カツカレーはあまり好きじゃないが、競馬場と言えばカツカレーだろうということで、カツカレーを食べる。

24年11月16日(土)、17日(日):福島競馬場

 週中には衝撃的なニュースが飛び込んできた。今時珍しい古風な真面目人間と思われて、ファンも多かった若手の引退。これについては、少し前から一番懇意にしていたであろう、オーナーが「処分が出たら書く」と言っていたが、本当に書いた。
 これを読めば、競馬ファンも一応の納得と諦めの線を引けると思う。書いていただいたことに、自分も含めて、競馬ファンは感謝したい。
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 今週のメインは、こっち。
 ついに、「コロナ以来のJRA全場再訪」の最後に残った地、福島へ行って参りました!今年、福島については、欠かさず指定席抽選申し込みをしていたのだが、JRAカード会員・一般会員共に活用しても、土日両日当選することがなく(片方だけ当選する)、やっと両日当選したのが、今年最後の福島開催週まで待たされることになったw
 そして、本ブログの主旨、「競馬場のカツカレー」も、これにて全てのカツカレーメニューを紹介することになる。え?まだ食ってないのあるじゃんって?いや、あれはレギュレーションを満たしてないから……(※京都競馬場の、必勝牛すじカレー:牛すじカレーにカツがのっているもののこと。”カツカレー”として売ってないからダメです)。
 それでは福島競馬場のカツカレー、行ってみましょう!

 

 カレーハウスジョイフル、カツカレー800円。

 ルー部門
 粘度:しゃばしゃば(低)
 具:少
 具内容:拍子木切り豚肉
 甘味:0(0~3)
 辛み:1(0~3)
 コク:0(0~3)

 カツ部門
 種類:豚ロース
 衣粒:やや粗
 衣堅:ザック
 肉厚:1(1~3)
 肉大:2(1~3)

 その他
 薬味:福神漬け(小袋、赤)
 その他:蓋付容器で提供。

 ルーは、おそらく全国一濃度が低い。さらっとを超えた、しゃばしゃば。コクは薄く、辛みはある、と言うと、けなしているように聞こえると思うが、個人的には「カツカレーのルーの理想形は、これだよ、これ!」なのだ。
 これは個人の好みだから、異論は認めるが、粘度の高い、もったりとしたルーと揚げ物は合わない。まずもって揚げ物には、ソースや醤油が合う。ということは、揚げ物に合うルーは、ソースや醤油のような粘度が低い、「カレー味の液体」が個人的には理想じゃないかと思っている。それを体現してるのが、コレ!コクが薄いのは、すっきりとしていると言い換えられる。非常に良い。具には、拍子木切りされた豚バラが浮かんでおり、若干肉の臭みを感じるが、それもルーと合わせれば問題ない。

 カツは、若干薄めだが、脂身を感じる味わい。その分、すっきりとしたしゃばしゃばのカレールーと丁度良くマッチする。朝一訪問のためか、揚げたてで、衣はザックリとした食感だった。蓋付弁当形態のため、もしかしたら普段は作り置きで、即渡し、衣はしなってるかもしれない。

 ご飯は、若干安目かな?と思うが、ルーと混ぜちまえば問題ない。米の量自体も、ルーとのバランスも、多すぎず少なすぎずで丁度良い。

 その他は、福神漬けが小袋で別添えになっている。量は結構入っていて福神漬け好きとしては嬉しい。味は若干酸味あり系かな。

 総評は、「個人的に理想のカツカレールーに、ついに巡り合った!」という感じ。カツの大きさ厚さは標準的にあり、ご飯の量は丁度いい、味も納得できるし、なにより価格は基準ラインとなる800円。文句のつけようがない。
 蓋付容器は、テイクアウト・イートイン業態としては持ち運びしやすい。福島競馬場ではテイクアウトカツカレーには全て蓋付容器での提供がされていて、大変ありがたい。

 

 

 サザンクロス、カツカレー1,100円と生ビール660円。

 ルー部門
 粘度:さらっと(低)
 具:多い
 具内容:素揚げ野菜、ゆでブロッコリー、野菜片や肉片
 甘味:1(0~3)
 辛み:1(0~3)
 コク:1(0~3)

 カツ部門
 種類:豚ヒレ
 衣粒:やや粗
 衣堅:サックサック
 肉厚:1(1~3)
 肉大:2(1~3)

 その他
 薬味:福神漬け(赤)
 その他:フォークもついてくる

 ルーは、さらさらしてるが、同競馬場にあるカレーショップJOYFULに比べると、若干粘度はあるかなという感じで、液体系ルーが好きな自分としては良し。全体的の味わいは、抑えめで万人向け。具は目を引くところでは、素揚げ野菜が乗っており、運ばれてきたときに、それらの匂いがぷーんと香り立つ。野菜嫌いな人には苦手だろうが、野菜好きには「お、ええ匂いやん」となるレベル。また、ルーの中には野菜片や肉片もあり、特に肉片の方は、同店のメニューに「小ぶりチャーシュー丼」が別に存在しており、おそらくそういう類の刻まれている肉片も混ぜらているので、肉っぽさのあるルーでもある。
 カツは、さすがレストラン業態と言うことで、揚げたてのサックサックで、若干薄いこともあって、前歯で容易に噛み切れる軽さ。肉自体も脂身を感じなかったので、ヒレ肉かもしれず、そういう意味でも、やはり食感は軽い。
 ご飯は、ルーとのバランスを見ると、見た目以上に米の量の方が若干多い。言い換えればルーが少な目かな?
 総評としては、福島競馬場の洋食レストランとして、素揚げ野菜が、一定の見栄えがするメニューとして手をかけているところは、評価できる。価格は妥当というところだろう。
 論評とは関係ないが、ほぼ朝一で行ったため、客は自分と、ダンディな馬主さん(襟章がついてた)がラーメンをすすってるだけだったが、食べてるメニューは向こうが安いが、身なりはやはり馬主さんのほうがきちっとしていて、端から見ると「食べてるもん逆じゃね?」とツッコミを受けそうな構図だった。
 あと、福島競馬場では、テイクアウト業態の生ビールが700円だが、サザンクロスでは660円、赤井では650円と、レストラン業態の方が若干安く設定されている。

 

 

 アスコット、カツカレー890円。

 ルー部門
 粘度:ややもったり(中~高)
 具:少
 具内容:野菜か何か
 甘味:1(0~3)
 辛み:1(0~3)
 コク:2(0~3)

 カツ部門
 種類:豚バラ?
 衣粒:粗
 衣堅:シナッ
 肉厚:2(1~3)
 肉大:3(1~3)

 その他
 薬味:福神漬け(赤)
 その他:スプーンと箸をくれる。蓋付容器で提供。レンジで温めなおしもしてくれる。

 ルーは、ややもったりぎみのとろっと感で、若干粘度が高いかなという感じ。味は万人向けだが、粘度が高めの分、コクも感じやすく、濃いめの味わいになる。野菜か何かが入っている。

 カツは、「え!?890円のカツカレーでこんな厚さ大きさ!?」と吃驚するほど大きい。レストラン業態で出てくる大きさ。脂身が多い部分なので、ロースというよりかは、もしかしたら珍しいバラ肉のカツかもしれない。

 ご飯は、量自体多目。ルーとのバランスでも、米の方が多目。若干堅めに炊かれてるかな。

 その他は福神漬け、スプーンと箸両方くれる、蓋付容器で提供。蓋付の状態で店頭で積まれて売られているが、買い求めると「レンジで温めますか?」と言ってくれる心遣いも嬉しい。

 総評、鬼のコストパフォーマンス。競馬場のカツカレーの基準は800円なのだが、そこから90円余計にだすだけで、カツの大きさが一回り?二回り?ぐらい大きくなるのが凄い。ご飯の量も多い。全国一のコスパ高カツカレーと言える。指定席エリアの売店の為、指定席利用者しか購入できないが、CPを求める人は是非ここで購入して欲しい。カツカレーだけでなく、ソースカツ丼も、同じ大きさの容器で売っているので、そっちがいい人もいるだろう。

 蓋は中央が若干くぼんでいて、スプーンが収まる。

 

 

 どんどん、鶏かつカレー丼800円。

 ルー部門
 粘度:とろっと(低)
 具:無
 具内容:無
 甘味:1(0~3)
 辛み:1(0~3)
 コク:2(0~3)

 カツ部門
 種類:鶏胸
 衣粒:細
 衣堅:シナカリ
 肉厚:1(1~3)
 肉大:2(1~3)

 その他
 その他:蓋付容器で提供。

 ルーは、若干とろっとを超えるか超えないかぐらいの中程度の粘度。色の濃い、コクアリ系だが、甘みや辛みは抑えめ。カレー的な、スパイス感は薄い。

 カツは、鶏胸のチキンカツカレー。脂肪分が一切ない肉質ということになるが、これは「カツカレーのルーは液体系のほうがいい」と唱える自分だが、「逆に、胸肉のチキンカツなら、ルーは粘度高で、コクがあったほうがいいかもしれない」ということを感じた。

 ご飯は全体的の量として若干少なめであり、ルーに対してのバランスから見ても少な目。

 その他は、蓋付容器で提供。

 総評、カツの評価のところでも述べたが「脂肪分の少ない胸チキンカツなら、こういう濃いルーの方でもいいんだな」という新たな知見を得た。全体的にボリュームが他店に比べて一回り小さいので、「小食だけど、カツカレーが食べたい」という人には丁度いいサイズかもしれない。

 蓋付。

 

 

 赤井、カツカレー950円と生ビール650円。

 ルー部門
 粘度:とろっと(中)
 具:多い
 具内容:にんじん、肉塊
 甘味:2(0~3)
 辛み:1(0~3)
 コク:2(0~3)

 カツ部門
 種類:豚ロース
 衣粒:中
 衣堅:カリシナ
 肉厚:2(1~3)
 肉大:2(1~3)

 その他
 薬味:福神漬け(赤)
 その他:スプーンの他にフォーク。おしぼり付き。

 ルーは、そんなに粘度は高くないが、とろっとしてる感じ。味は「あ、これはガチで万人が好きな味付け!」という「カレーオブカレー」。具は人参と肉塊が見えており、この人参が凄い柔らかくて甘い。人参が多く入っているからなのか、ルーは甘めとも言える。

 カツは、オーソドックスで、脂身を感じる味わいの為、豚ロースと思われる。揚げ置きかな?という感じはするが、それでもまだカリッとしてるところが残っており、食べる分には気にならない。むしろ提供がガチ早(先にビールが来たと一口飲んだら、もう出てきた)で助かる。

 その他は、福神漬けだが、量は少な目。おしぼりがついてくるのがレストラン業態としては当たり前だが、やはり嬉しい。

 総評、入り口の食券機で食券を先に買ってから着席するスタイルだが、それでもこの内容でカツカレー950円は安いと言える。味も外れなし、というか、打率1割のバッターでも真芯を食う当たりが出るストライクコースに投げ込まれたボールみたいな(どういう例えだよ)、誰にもヒットする味で、もしかしたら、すげえもんに出くわしたかもしれない。ビールもサッポロ黒ラベルで良し!(狂信的な黒ラベル

 

 ここからは福島競馬場について。
 東京民からみると、東京・中山は別として、それ以外の一番近い競馬場は実は福島競馬場になる。新幹線の時間だけみると、福島は1時間半、新潟は2時間と、ここまででもう福島の方が早いが、新潟競馬場新潟駅からさらに直行シャトルバスで35分も乗ったところにあり、そうなると、福島駅から徒歩で30分の福島競馬場の方が、断然近い。
 ただ、近すぎて、夜行バスで行くと、23時半出発、朝4時前到着、駅前は何もやってない、コロナ以後で24時間業態店舗もなくなった、さぁて、どうするみたいな感じになってしまうが、こういう話は旅行記事のほうで纏めたい。

 個人的な理由で、福島競馬場はNo.1じゃないが、是非旅打ちで薦めたい競馬場でもあり、見どころはある。まずは形態だろう。

 福島競馬場を目指してずんどこ歩いていくと、スタンドが見えてくるが、このスタンドに入ると、その中にパドックがあるのだ。

 これは他の競馬場では見られない形状で、上の階の指定席からもパドックが見下ろせる形になっている。絶対パドックを確認したい人は、席からパドックへの移動距離が断然近い福島はいいのではないだろうか?

 また、障害ファンならば、福島遠征は行くべきだろう。唯一無二の「逆周り→順周り」で周ってくるコースだし、観客スペースとコースの間には何もないので、本当の目の前で飛越が観られる。1号(最終)障害前で見るか、内馬場の襷コース前でみるかは好みで分かれるが。
 個人的には1号(最終)障害の位置は、どうせ置き障害なんだから、どうにかして変えられないものかと思っている。あそこで落馬事故が多すぎて、コースレイアウトに問題があるのではと。ただ、障害騎手達からそういう話が出てることは聞いてない(聞こえてないだけかも)ので、問題ないかもしれないが……。

 

 グルメに関して言えば、今回は食べなかったが、福島には、蕎麦にアンコ入りの饅頭を天ぷらにしたものが乗っているメニューがあり、福島競馬場でも、フードコートの蕎麦屋花月寿」で食べられる。

 写真は2019年6月のものなので、価格は今とは違う。「会津(まんじゅう天)580円」が、該当のメニューだ。2023年の情報では650円とのこと。
 そして、これが、その会津まんじゅう天ぷら蕎麦だ。

 半切りにされた、アンコ入りのまんじゅう天が乗せられていた、山菜おろし蕎麦。味は、

 

 意外といけるんだな、これがw
 元々「饅頭怖い!」の人なので、許せたのかもしれないが、しょっぱいつゆに、甘いアンコと油(衣)が、結構いける。癖になる。かりんとう饅頭が好きな人は、いけるかもしれない。

 他にも肉屋の総菜屋さんみたいな、上杉とかで牛串やコロッケを買ってたべるのもおすすめだが、福島競馬場の断然人気グルメは「鳥ぎんのもつ煮」だろう。写真はないが、このメニュー、開門と同時に行列ができるほど人気がある。日曜は午前中で売り切れることもある。やばい。

 

 他にも内馬場で、福島路ビールが飲めたりなど、コンパクトな作りに、バリューあるグルメが詰まっているのが福島競馬場だ。東京から近くて安くて旨い、是非、訪れて欲しい。
 ただ、福島競馬場が一番予想成績悪いんだよなぁ……。